会長あいさつ
『「誇り」と「自信」を未来へ繋げる』
郡山商工会議所青年部
令和6年度・第40代会長
髙橋 晋也
はじめに、私たち郡山商工会議所青年部は、郡山商工会議所活動の一翼を担う団体です。その根幹である商工会議所のルーツは明治時代に遡ります。江戸時代に欧米列強と締結した「不平等条約」の改正に向けて、商工業者の意見を集約した世論を発出するための目的で、1878年(明治11年)に渋沢栄一翁を初代会頭として迎え、日本初の商工会議所は設立されました。
そして、郡山の社会経済の発展のため、1925年(大正14年)に橋本萬右衛門氏が初代会頭として郡山商工会議所が設立されたのです。
時を経て、現在の形態は1953年8月に制定された商工会議所法に基づいて、個社支援や地域全体を活性化するための面的支援、要望活動や政策提言などを行い、商工業の総合的な改善発達を図り、かねて社会一般の福祉の増進に資し、もってわが国商工業の発展に寄与することを目的に活動を行っているのです。
その中で私たちは、青年経済人として、郡山の商工業の発展に貢献するために何をすべきでしょうか。「若手起業家集団」らしく、失敗を恐れず、未来を変革するために勇気と情熱を傾け、行動こそが時代を先駆けるべき青年の責務と信じ、力を合わせることが持続可能な社会を目指すうえで非常に重要なことではないかと考えるのです。
我々を取り巻く経済環境は様々な課題で溢れています。特に深刻な問題は、1995年をピークに減少し続けている労働人口不足です。福島県の統計では2025年には国民の約3人に1人が65歳以上となり、超高齢化社会となる日本は、東京都以外の全ての地域で働く担い手の不足が深刻化すると予想されています。さらに2040年には日本にある都市の約半数が消滅すると予想されている「消滅可能性都市」においても、原発事故や風評被害のハンディキャップを持っている私たちにとっては極めて喫緊の課題なのです。
日本の全企業数の99.7%を占めている中小企業。特に地方においては中小企業の雇用が8割を占めるなど、大きな吸収源となってこれまで地域社会に貢献してきました。
しかしながら、時代の変化とともに、都市部と地方の格差が生まれ、都市部への一極集中による労働人口不足やその対応にかかる賃金上昇など、歯止めの効かない厳しい現実が目の前に迫っています。
しかし、どんな状況下にあっても、風穴を開ける術はいつの時代も必ずあるのです。今年で市政施行100周年を迎えるに至った郡山の礎を築いた開成社の歴史がそれを証明しているように。
私たちは、バブルが崩壊してからの失われた30年の中で、失敗を恐れるネガティブ思考がそれとなく植え付けられ、いつしか故郷郡山に、母国日本にさえも誇りと自信を失ってしまったように感じられます。青年部の歌にある「歴史の舵はいつの世も熱ある者が取ってきた」これはまさに開成社の姿そのものです。改めて、未来を切り拓いた「一本の水路」が語る歴史、多様性と調和し共生する風土と伝統の存在に「誇り」と「自信」を持ち、次の100年に向けて、次は私たちが行動を起こす番なのです。開拓者の精神を継承し「できそうもないことを、夢のようなことを現実化する」「商工会議所青年部だからこその政策提言をし、共に動いていく」そして「それらの活動を広く知ってもらう」これらを通じて、次の若者たちに「誇り」と「自信」をもたらし、故郷への「愛着」を築かせていくことに繋げるのです。
令和6年度はいよいよ『全国会長研修会』が開催されます。平成9年を皮切りに何度も誘致活動に敗れ、苦杯を嘗めてきた諸先輩方の積年の想いも結集された大事業です。
全国各地のリーダー達が来郡されるこの貴重な機会に、私たちは郡山、福島県の「誇り」と風評被害の払拭に向けた発信をもって、新しい気付きと学び、そして地域を愛する先導者としての気概を持ち帰っていただくことが、この事業にかける大きな目標であります。そして何より、私たち自身も、大きな成長と自信が得られる貴重な機会なのです。
自企業ではできないことが、この組織であればできること、自分1人では考えもしないことが多様な知恵が合わされば想像を超えた発想が生まれること、最後まで妥協せずにやり抜くことを仲間から学ぶこと。
大きな荷物も皆で分け合えば軽くなり、責任を果たすことで「やりがい」が生まれ、「成長」し、「貢献」が達成され、「自信」が生まれるのです。全メンバーでこの大事業と向き合い、組織力を最大限に発揮しましょう。
この経験が大きな一歩となって、今後さらなる事業の展開を巻き起こし、その活動が次代の若者たちに「誇り」と「自信」をもたらし、持続可能な故郷へ発展を遂げる力となるのです。
「誇り」が地域を高める情熱となり、その情熱が全国各地へと広がって「強く誇れる日本」を創っていく。その道標となれるよう、共に歩みを進めていきましょう。
【組織の要を担う】(運営委員会)
運営委員会は、定時総会や理事会・例会の運営支援など、活動における裏方の「要」でございます。裏の功労者でありながら、会の始まりから終わりまで一貫して携わる運営委員会の姿勢や所作そのものは、郡山YEGの品性・品格を象徴する顔となります。筆頭委員会として、他委員会との連携を図り、模範となるようにメリハリある委員会の体制及び活動に期待します。
【郡山の強み・弱みを知り・これからを提言する】(まちづくり委員会)
令和4年度からこれまでにかけて、郡山市職員の方々や市内の高校生、NPO法人の方々と風会議を4度実施し、私達が知らなかった郡山市が持つポテンシャルや一方で抱える弱みや改善すべき点など、幾つかの課題が明らかになりました。その中で私達は提案でも要望でもなく郡山YEGとして提言すべき項目を、入念に分析・調査した上で確固たるエビデンスの基、令和6年度中に政策提言書としてまとめたいと考えます。
【内外に広く伝える】(広報委員会)
情報が多様化している昨今では、必要な情報を取捨選択し、欲しいタイミングで収集・発信することが重要になります。広報委員会では、郡山YEGならではの視点を持った取材活動と、各委員会と密に連携した情報収集により、紙媒体(会議所会報)やホームページ、SNS を活用し、内外へ向けて郡山YEGの魅力を伝える、タイムリーな情報発信を展開していきます。
【今の私達に必要な研鑽を図る】(研修委員会)
変化が著しく、常に不確実性の中にいる私達は、対処できる知見と柔軟性を持つことが重要です。常に新しい情報を敏感に収集することで適宜適切な判断をすることに繋がります。その一助となり、経営者としての資質向上に役立つ研修事業を目的とし、さらには政策提言の検証や追及にも繋がる研修を展開していきます。
【多様な価値観を知り自企業の発展に繋げる】(交流委員会)
多様性を理解し、裾野を広げた視点で物事をみることは経営者にとって重要な資質です。YEGはそれができる異業種交流・研鑽の場です。異業種の人達との交流を通して自分の枠を超えた多様な価値観や手法を知り、それらから得られるヒント・気付きをアイデアに変えて自企業の発展へと繋げるのです。また、今年度は全国会長研修会が開催されます。これに向けて、郡山YEGだけでなく、福島県連や東北ブロック、姉妹・友好YEG、日本YEGとの関係を密にすることが重要です。その架け橋として、対外的な交流を積極的に行いながら交流事業を展開していきます。
【革新的な事業への挑戦】(事業委員会)
諸先輩方からタスキを受け継ぎ30年以上継続してきた『さくらのライトアップ』事業。令和5年度開成山公園Park-PFI事業により民間主導で運営されていくこととなり、積極的な事業が出来るか否か次第においては郡山YEGがこのまま継続していくべきかを検討しなければならないと考えます。
「商工会議所活動の一翼を担い、地域経済の発展に貢献する」この理念に向かって、青年経済人らしく、失敗を恐れず、多様なアイデアを惜しみなく融合して『革新的なアイデア』を創造することを期待します。
【結びに】
令和6年度は、令和2年に策定された「郡山YEG中期ビジョン」の最終年度となります。そこに記された「あるべき姿」を具現化すべく、全国会長研修会に向けて一致団結して取組み、達成感と充実感、学びが得られるYEGを目指します。
この活動を通して得られる学びは、自企業の発展と地域社会の発展に寄与し、この組織にいることの意義を見いだすはずです。「この組織に所属していなければ損をする」と会員自身が想える魅力ある組織を目指し、開拓者精神を継承して共に歩みを進めていきましょう。
令和6年度 郡山商工会議書青年部 事業計画
- スローガン
- 「誇り」と「自信」を未来へ繋げる
- 基本方針
- 属人化のない、自走できる魅力ある強い組織を目指す
- 運営方針
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1.「商工会議所活動の一翼を担い、地域社会(経済)の発展に貢献する」この理念に向かって進んでいく組織であることを再認識して活動に取組む。
2.属人化がなく、自走できる強い組織を目指すべく、荷物を分け合い、全会員が携わり成長できる仕組みを構築していく。役職者は適宜その機能を果たすべく、速やかに段取り等を施行することに取組む。
3.衆知が惜しみなく集まることで研鑽が生まれ、ここに熱が混ざれば革新的な事業が生まれる。組織の力を最大限に発揮できるよう多様な価値観を理解し合って活動に取組む。
4.やる時はやる、楽しむときは楽しむ。メリハリを持った活動に取組む。
5.「この組織にいなければ損になる」と会員自身が思えるような魅力ある組織を全会員で築いていく。
- 委員会
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第1部会
運営委員会
1.理事名刺/名表の制作 [年度開始前]
2.理事会・例会の運営 [通年]
3.家族参加型公開委員会 [6月]
4.総会・臨時総会の運営 [9月・12月・4月]第2部会
まちづくり委員会
1.政策提言に向けた研修事業(研修と合同) [7月]
2.政策提言書(案)の発表 [2月]第3部会
広報委員会
1.会員名簿の作成 [年度開始前]
2.ホームページ・SNSの管理運営 [通年]
3.郡山YEGの広報活動および情報発信、記録保存 [通年]
4.忘年会の企画運営 [12月]第4部会
研修委員会
1.日本YEG研修委員会事業の参加促進 [通年]
2.今必要とされる研鑽セミナー(公開委員会) [通年]
3.政策提言に向けた研修事業(まちづくりと合同) [7月]
4.新年会の企画運営 [1月]
5.卒業式の企画運営(1/2担当) [3月]第5部会
交流委員会
1.足並み揃える事業 [5月]
2.東北ブロック大会(秋田県大館市) [10月]
3.第44回全国大会(福岡県久留米市) [3月]
第6部会
事業委員会
1.うねめまつり「踊り流し」への参画 [8月]
2.卒業式の企画運営(2/2担当) [3月]
3.第34回桜のライトアップ(革新的な事業も目指して) [翌年4月] - 全国会長研修会実行委員会
- 1.日本YEG第327回役員会等 [6月]
2.日本YEG第331回役員会等 [11月]
3.全国会長研修会各地キャラバンへの参加 [〜10月]
4.日本YEG第42回全国会長研修会ふくしま郡山会議 [11月] - 執行部・特別委員会(有志など)
- 1.サマーフェスタへの参画 [7月]
2.サッカー全国大会への参画(神奈川県藤沢市) [7月]
3.40周年記念式典実行委員会の準備 [12月頃〜]
4.三単会交流事業の企画運営 [7月]
5.県連40周年記念事業及び県連会員大会への参加促進 [5月・10月]
6.他単会・友好 YEG・姉妹YEGとの交流 [通年]